「事業構造の診断」という言葉は、コンサルティングの文脈でよく使われますが、実際に何をするのかが伝わりにくいことがあります。この文章では、Velnrix Mirxが診断プロジェクトで実際に行っていることを、順を追って説明します。

財務諸表を読む

最初の一週間は、過去3年分の財務諸表を読み込みます。損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書の三つです。ここで見るのは、どの事業ラインが収益を生んでいて、どこにコストが集中しているかです。数字だけ見ると、表面的な傾向はわかります。ただ、なぜその数字になっているかは、財務諸表だけではわかりません。

現場ヒアリングで数字の背景を聞く

財務諸表を読んだあと、現場の担当者に話を聞きます。経営層だけでなく、実際に案件を動かしている担当者に直接聞くことが重要です。「この費用は何に使われているか」「この売上はどこから来ているか」を確認すると、財務諸表では見えなかった構造が見えてきます。たとえば、売上の大部分が特定の一社に依存していることが、この段階で明らかになることがあります。

力が集中している場所と空洞を特定する

財務データと現場ヒアリングを組み合わせると、組織のどこに力が集中していて、どこが空洞になっているかが見えてきます。「売上は上がっているが、利益率が下がっている」という状態の背景に、特定の顧客への過剰なサービスが隠れていることがあります。この構造を可視化することが、診断の主な目的です。

A4二枚で納品する

診断結果は、A4二枚の要約と優先度付きのアクションリストで納品します。100ページの報告書は書きません。理由は、読まれないからです。二枚に収めるためには、何が重要で何が重要でないかを判断する必要があります。その判断を提供することが、診断の価値だと考えています。

事業構造の診断は、答えを出すものではありません。正しい問いを立てるための材料を整えるものです。診断の結果を受けて、次に何をするかは、クライアントが決めます。